こんにちは!「いちじくびより」です。今回は「オカラとコーヒー粕」を用いた堆肥の作り方をご紹介していきます。
私は2022年4月から農業を始めましたが、食品廃棄物を使って堆肥を作り、畑に還元することで窒素を循環させる循環型農業に取り組んでいます。
参考にした文献は「神奈川県農業総合研究所;オカラ・コーヒー粕混合による堆肥製造」です。ご興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
オカラとコーヒー粕の特徴(メリット・デメリット)
まずは資材の特徴を把握しましょう。
- オカラ
オカラは肥料成分である窒素成分を多く含んでいますが、分解に伴い水分や悪臭(アンモニア窒素ガス)が発生しやすく、腐敗しやすくなるため、単品での堆肥化は困難です。
- コーヒー粕
炭のような多孔質の形態をしており、乾燥させてから使用すると水分や悪臭物質を急速に吸着する特徴があります。
そのため、堆肥化時に他の資材と混ぜて使用すると、他の資材から発生する水分や悪臭物質を取り込んで、堆肥全体の性状を良好に保つという傾向があります。
コーヒー粕は窒素を含んでいますが、この窒素は微生物によって分解されにくいという特徴があります。
コーヒー粕を多量にそのまま施用すると、コーヒー粕を分解するために土壌中の窒素成分が使用され、植物が肥料不足になる(窒素飢餓)現象を起こします。また、コーヒー粕は、発芽阻害物質を含んでいるといわれています。
配合比率は1:1
オカラが多すぎるとアンモニア窒素(ガス)が発生し悪臭がでるばかりか、オカラに含まれる窒素がガスとして流出してしまいます。
オカラの割合が70%を超えると流出が顕著にみられるようです。個人的には堆肥化に失敗し、腐敗する可能性も高まるのではないかと考えています。
オカラを40%~60%に抑えると良いとありました。なお、オカラとコーヒー粕の比重は「0.4:0.5」とほぼ等倍なため、同量の投入で問題ありません。筆者は同量かコーヒー粕多めで試します。
発酵方法は嫌気性発酵と好気性発酵
文献には密閉での発酵(嫌気性)10日間、その後、堆積させての発酵(好気性)が2~3カ月とありました。
しかし、筆者は畑で使用するため、大量の混合物を密閉型容器に移して作るのは手間や機材費がかかるため、現実的ではありません。そこで資材を混合したものを山にして(堆積)、シートをかぶせる方法で発酵させたいと思います(好気性発酵のみ)。
Youtubeで「土いじりちゃんねる」さんの動画が参考になります。
なお、発酵温度は一次発酵で70~80度、二次発酵で60~70度と高温になるそうです。
用意するもの
- ビニール袋(ゴミ袋可)
- ビニールシート
- トロ箱などのような容器
- コーヒー粕
- オカラ(コーヒー粕と同量)
- 水
手順
- コーヒー粕とオカラを混ぜる。どちらも水分を含んでいる場合は加水の必要はない。
- ビニール袋に入れて、密閉する。10日間放置し嫌気発酵させる。
- 容器に移し、乾燥している場合は適度に加水し、よくかき混ぜる。
- ビニールシートを被せ、2~3カ月間好機発酵させる。月に2回かき混ぜる。乾燥しないように適宜加水する。
- 最後に乾燥させて完成。
成分含量について(参考)
- 投入物(堆肥化前) 窒素:3.6%、リン酸:2.4%、カリ:4.0%
- 一次発酵後(密閉) 窒素:3.8%、リン酸:4.1%、カリ:6.8%
- 二次発酵後(堆積) 窒素:5.5%、リン酸:4.8%、カリ:8.0%
リン酸、カリ、石灰、苦土(マグネシウム)、ナトリウムは堆肥化が進むにつれ増加傾向がみられます。それぞれ一次発酵で1.7倍、二次発酵で2倍になります。L字型(カリが多い)のバランスの良い資材になります。
米ぬかや卵の殻も加えたい
個人的には発酵促進剤として「ヨーグルト」「納豆」「酵母」を水で溶いたもの、微生物の増殖剤として「米ぬか」や「ふすま」、石灰分の補給として「卵の殻」も混合して堆肥化したいです。
さらには発酵時の温度が高いため、「魚のあら」や「魚の血合い」なども入れるとアミノ酸も補給されていいかもしれませんね。ケイ酸を補給したい場合は稲ワラも追加すると良いでしょう。
「コーヒー粕1:オカラ1:米ぬか1:卵の殻0.5:魚0.3」の割合もやってみます。
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