【コラム】ビオレソリエスの夏果について


一般的に秋果専用種として販売されているビオレソリエスですが、ビオレソリエスも夏果がなります。ですが、多くのかたが夏果は収穫できずの自然落下してしまうようですね。ただし、上手に管理するとビオレソリエスでも夏果は収穫できるので今回はそのあたりに触れていこうかと思います。

とはいえ、先にお伝えしておきますと、科学的な根拠はなく、個人の見解なためあくまでご参考程度にお願いします(^^;)

転流促進を意識する

私が思うに、ビオレソリエスは転流が苦手な子…。だらんと大きくなりやすい葉、黄緑色になりやすい葉、徒長しやすい新梢、これって日陰で育てた植物の特徴と似ています。日陰で育てた植物は光合成がうまくできないため、一生懸命光合成ができるように葉を大きくし、新梢を徒長させ、結果、葉の色が薄まります。

葉面散布でCHOやMgなどを補うことで光合成をサポートできますのでご興味ある方はチャレンジされてみてください。葉面散布の他には、気温が高い日は上部を冷やすことも重要です。植物学上のお話ですが、植物は上部が冷めたく、下部(特に地温)が温かいと転流が促進されます。首都圏で早く出回る加温施設で育てられたイチジク(4月~6月くらいのもの)は、正直なところ季節物の露地イチジクに比べると生食では味が落ちるものが多いです。その原因のひとつが施設内の温度が高いことに起因しているのではないかと思っていて、いくら換気をしてもミストを導入して冷やすくらいのことをしないとなかなか改善されないのではないかなぁっと勝手ながらに思っています。葉温が28度を超えると光合成効率も下がりますしね。

体内養分が不足すると夏果は落下する

ビオレソリエスに限らないことですが、養分が不足すると夏果は自然落下します。夏果よりも自身の成長を優先させるため、老化促進のホルモンを分泌させて落下させているのだと思うんですね。私のイチジクの先生も葉面散布を頻繁に行うため、X字仕立ての強剪定なことからそれほど多くは収穫できませんが、ビオレソリエスの夏果を毎年収穫できています。

夏秋兼用種で夏果が自然落下してしまうことでお悩みの方は、葉面散布をぜひ試してみてください。

ビオレソリエスの夏果の正体

ビオレソリエスの「夏果」の正体。それは、本来であれば昨年に「秋果」として着果すべきだったもの、つまり「昨年、飛んだ玉」だと思っています。本当に上手に育てると、強剪定でも基部からきれいに着果させることができ、多収となります(強剪定でない場合、着果の仕方が少し異なります)。

ビオレソリエスの強剪定による「秋果」は下半分(多いのは6~8節より下)が着果しない、いわゆる「玉飛び」が出やすい品種です。ですが技術によっては強剪定でも桝井ドーフィンとほぼ同じ着果数が望めます。イチジクは「玉飛び」がでるとその分味が落ちると言われているため、私の中の技術指標の1つとしています。弱剪定の場合は先端に密集して着果し、基部から中間部は着果しませんがそういう「性質」であって、「玉飛び」ではありません。

 

今回はここまでです。最後までご覧いただきましてありがとうございました♪当ブログの記事で知りえた情報をもとにSNS(Youtubeなど)に投稿される際は、当ブログのご紹介をいただけますととても嬉しいです(逆だと落ち込みます)。

一般的な知見(特に組合出荷を軸とした栽培方法)と異なる考えなところもありますので、記事の内容はあくまで参考程度にお願いします。

ビオレソリエスの夏果は葉芽より先に大きくなる
最新情報をチェックしよう!
NO IMAGE