【家庭菜園】「いちじくびより」がすすめる上手な苗木の選び方

いちじくの苗木を買いにホームセンターに行ってみたら、売り場にはちょっと使いづらそうな形の苗木しか置いてなかったことはありませんか?今回の記事を読むことで、苗木の選択に迷ったときの選ぶコツがわかります。

コツ:「肥(ひこ)ばえ」があるかどうか

6月を過ぎるとどうしてもこの時期のいちじくの苗は売れ残りのものになり、状態の良いものは少なくなりがちです。

樹の幹は細く茶色で、曲がっているものが多くなります。緑の箇所は今年大きく成長する部分で育てやすいのですが、一度茶色になってしまうと、それは「木」になり、太くなるのに時間がかかり、全体として生育が遅くなります。

いびつに曲がった購入時の苗(品種:アイーダブラック)
購入時の苗。茶色い箇所は「木」になっていて、生育が遅くなる。

そのようなとき、筆者は緑色の「肥(ひこ)ばえ」がある苗木を選んで購入します。「肥(ひこ)ばえ」が緑色であれば今年伸びた枝であり、肥料を与えることで元気に太い樹を作ることができるからです。

いちじく アイーダブラック
購入の決め手は「肥(ひこ)ばえ」♪

「肥(ひこ)ばえ」の上手な育て方(ポイント2つ)

「肥(ひこ)ばえ」を上手に育てるポイントは、「茶色になった樹を下へ誘因すること」と「速効性の肥料を使用すること」の2点です。

購入した苗木は、まず、大きい鉢、もしくは畑へ植え替えをします。そして、「肥(ひこ)ばえ」の先端の芽が、苗木全体の芽の中で高い位置にくるように、大本の茶色の樹を下へ折り曲げるように誘因します。

誘因をして、頂芽優性を利用する
誘因イメージ。優先して育てたい肥ばえの芽を高い位置にする。

植物は最も高い位置の芽が優先的に成長する特性があり(頂芽優性)、その特性を上手に活かして「肥(ひこ)ばえ」を育てます。誘因しても「肥(ひこ)ばえ」の先端の芽が一番上に来ない場合でも、緑枝の成長は早く、いずれは他の芽の高さを追い越します。

ホームセンターで購入時にどんなに「肥(ひこ)ばえ」が小さくても、苗木にはしっかりとした根がすでにあるため、根から多くの養分が「肥(ひこ)ばえ」に送られます。また、大本の樹の葉にて光合成によって作られた養分も送られることから、「肥(ひこ)ばえ」の成長はとても早いです。成長を加速させるため、植え替え時には、速効性の肥料も忘れずに与えてください。

 

下の写真は8月22日撮影したものです。約2か月で「肥(ひこ)ばえ」の高さは70cm〜100cmにもなりました。大本の茶色の樹は、購入時から大きな成長はなく、「肥(ひこ)ばえ」のほうが勢いよく育っていることがわかります。

いちじく アイーダブラック
植え替え後、2か月の「肥(ひこ)ばえ」の様子。木は太り、70cmにもなった。
いちじく アンジェリー
同じように育てた他の株でも2か月後に100cmになった。

休眠期(冬)を迎えたら

必須ではありませんが、株分けをすることで株を増やすことができます。休眠期であれば、根を傷つけても問題ありません。凍害リスクの高い1月を避け、株分けは2月下旬~3月初旬に行うのがおすすめです。古い穂の枝を剪定し、挿し木にしても良いです。

以上、ホームセンターなどで、売り場に苗木の購入時に困った際の選び方についてでした。「肥(ひこ)ばえ」を上手に活かして大きく育てましょう!素敵ないちじくライフをお過ごしください♪

 

ガーデンガーデン豊橋本店

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